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北極海とベーリング海で国際極年観測

野村拳一 財団法人地球科学技術総合推進機構
研究推進部 IARCグループリーダー

2007年3月から2009年3月までの2年間は国際極年(International Polar Year:IPY)にあたる。IPYでは極域での諸過程とその地球全体への寄与について知識を深めること等を目的に、科学上の最先端を探求する世界各国の研究者が参加して学際的な研究と多分野同時観測を実施している。

北海道大学大学院水産科学研究院・水産学部では2007年と2008年の夏に、北大練習船「おしょろ丸」によるベーリング海とチュクチ海の国際共同海洋調査を計画している。同海域では1991年と1992年の過去2回にわたり底引き網による魚類採集も含めた海洋調査が行われている。今回の航海では前回の調査結果と比較できるような観測を実施し、過去10数年間の気候変化が海洋生態系にどのような影響を与えているかを調査する。現在、全球海洋生態系動態研究計画(Global Ocean Ecosystem Dynamics:GLOBEC)の一つとして北半球の亜寒帯縁辺海の比較研究(Ecosystem Studies of Sub-Arctic Seas:ESSAS)が開始されているが、今回ベーリング海とチュクチ海で実施する国際共同海洋調査はESSASのIPY航海としても認知されている。IPYという機会を生かして実施するフィールドキャンペーンで、北極海および亜寒帯縁辺海の海洋環境の変化が生態系に及ぼす影響を評価し、そのメカニズム解明への足懸りがつかめるものと期待される。

この航海はまたIARC‐JAXA北極圏研究の一環としても位置づけられている。当財団では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がIARCを拠点として推進している北極圏研究を支援しており、その一つが、北大大学院水産科学研究院の齊藤誠一教授を代表者とする海域研究グループの気候変動影響モニタリングである。JAXAは今回のIPYフィールドキャンペーンに対して地球観測衛星データの提供を行う計画である。2007年にはJAXA開発衛星センサー「AMSR-E」や陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」による観測データ提供を通じてIPYフィールドキャンペーンを支援していく。なお、チュクチ海航海では、朝日新聞社の記者とカメラマンが同行し、船上から日本へ随時記事が送られる。

IPY Campaign
図1 おしょろ丸による国際極年2007−2008フィールドキャンペーン
画像提供: 北海道大学水産学部, JAXA, NASA, NOAA

以上、 AESTO News 2007 Autumn No.10 (平成19年9月 発行 財団法人地球科学技術総合推進機構)より全文転載。

[掲載日 2007.9.27]

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更新日 2008/4/1